2015年4月4日土曜日

野菜組


4月2日、第2回目の野菜組が行われました。

今回はあらためて「食べもの」について考えてみました。


「身土不二 (しんどふじ)  」という言葉があります。 身体と土は別々ではない、ひとつ、同じである、という意味。その土地の土や空気や水、またその土地で採れた食物が、私たちの身体を造っているという意味でもある。自分の住んでいる地域で採れる旬のものや伝統食を食べることが身体に良い、という意味も。

徒歩や馬でしか移動できなかった時代には、人々はその土地で採れたものを食べて生きるしかなかった。しかし今の時代、スーパーに行けば、年中何でもあります。地球の反対側の食物まで並んでいます。誰ですか「トマトの旬は冬だっけ?」なんて言っている人は、、、。哀れ現代人。欲望を追求したがゆえに、自然の摂理から大きくかけ離れた食生活に落ちています。



「旬 (しゅん) 」という言葉があります。   昔から、旬のものを食べると身体に良いと言われています。夏には夏に出来るもの、冬には冬に出来るものの中に、その季節の私たちの身体に必要なものがちゃんと存在しています。また旬とは、その生命体 ( 植物でも動物でも) の生命力が最も充実している時、生命エネルギーが高い時です。




では、今のこの地域の「旬」の食べものは何でしょうか。
畑を見回すと、露地で冬を越した玉ねぎやにんにく、ネギの苗などが、少しずつ伸び始めました。
冬越ししたアブラナ科の野菜たちも青々として、元気です。

しかし、彼らの旬は、まだもう少し先の季節ですね。

今、畑で一番元気で、勢いのあるもの、

  
   それはこれ、野草です。

  4月初めの八ヶ岳西南麓の旬の食べものと言ったら、間違いなく「野草」でしょう。野山や畑にあるものの中で、一番元気で勢いがあります。

また、実は「野菜」の先祖は「野草」と言われています。「野草」を人間が嗜好に合わせて、長い年月をかけて品種改良して作りだしたものが「野菜」と言われています。


「木の芽時」の今は、冬の間身体に蓄積した脂肪分や汚れが血液中に溶け出し、身体の衣替えが行われる時。その解毒に、まさに野草の力が必要です。授業の後に試食したヨモギやノカンゾウ、身体にしみるような美味しさでしたね。



と言っても、ここは「野菜組」、野菜のことをやらなくちゃ。と言うわけで、今日はこの春最初の種蒔き、ジャガイモ、ニンジン、ゴボウを蒔きました。


さあ、枯れ草と野草に覆われた春の畑にどんな風に種を蒔くのでしょうか?

ジャガイモは、高畝の真ん中に穴を掘って、埋めました。
ニンジンやゴボウなどの小さな種は、もう少し丁寧に手をかけます。基本は耕さない自然農ですが、ニンジンなどの蒔き床は土の表面2~3センチにある宿根草の根は取り除き、軽く僅かに耕します。蒔き床以外の周辺の土や草は、そのままにしておきます。
( 具体的な栽培技術を学びたい方は、講座においでください )

その場の自然を出来るだけ壊さず、「草のすき間に種を降ろさせていただく」と言った感じでしょうか。

  ジャガイモの種芋の植え付け
ニンジンの種蒔き

自然農は「自然に沿い従う」という姿勢ですので、その土地の気候風土に合った野菜の種を選び、畑の何処に蒔くか、どの時期に蒔くかを良く見定めて、種蒔きを行います。


「適地適作」「適期適作」という言葉がありますが、自然に沿い従う農においては、とても大事なことです。この八ヶ岳では、マンゴーは作れませんし、冬に種を蒔いても芽は出て来ませんね。


八ヶ岳自然生活学校の「野菜組」は、八ヶ岳西南麓の気候風土に合った自然な食生活を見つめながら、一年間進めていきます。






   今日も生きものいっぱい   ありがとう地球!